{"created":"2023-05-15T09:03:41.982889+00:00","id":4633,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"0ae30e2c-06cf-4e58-a6f6-6080ef7d61b0"},"_deposit":{"created_by":3,"id":"4633","owners":[3],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4633"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:hirosaki.repo.nii.ac.jp:00004633","sets":["732:749:755"]},"author_link":["17489","17488"],"item_7_alternative_title_22":{"attribute_name":"タイトル(ヨミ)","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"トウホク ニホン ナイタイ ホクブ ノ カイセキコ ニ オケル カンシンセイ ノ チケイ ヘンカ ト コスイ カンキョウ ヘンセン  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年代測定を実施することにより海跡湖に河口を持つ河\n川低地の古環境変遷を明らかにした.さらに,それらの結果と完新世における湖の形態,\n特に水深変化を考慮し,縄文海進以降の海跡湖の成立過程,および湖水環境の変遷に関\nして考察を行った.\n岩木川最下流部に位置する十三湖では,縄文海進によって約7,000 cal BP に塩分が高い\n内湾環境を示す珪藻種が多産し,亀ヶ岡遺跡周辺付近まで海域が広がっていたことが明\nらかにされた.十三湖は,これらの内湾環境から約6,000 cal BP は淡水浮遊生種群の\nAulacoseira granulata が優占する淡水の影響が強い湖沼環境へと変化し,その後,現在の\n汽水環境へ至る.約6,000 cal BP に生じた淡水化の要因は,ほぼ同時期に形成された砂州\nにより内湾が外洋から隔たれたことであると推定された.しかし,同層準で実施したイ\nオウ分析の結果では,海成堆積物であることが示され,珪藻分析結果とは相反する結果\nが得られた.これは,当時の十三湖が現在よりも大きな容量を持ち,水深の大きい湖で\nあったことから,塩分躍層を境にして湖水が成層化したことによるものであると考えら\nれる.この湖水の成層現象は,湖底が河川の土砂供給により埋積されることで解消され,\n湖水深が小さくなった十三湖は,海水と淡水が撹拌されやすい現在の汽水環境に変化し\nている.淡水化は当時の湖全域において約6,000 cal BP に開始したが,淡水化の終了,す\nなわち汽水環境へと変化する年代は地点ごとに異なっており,約5,000 ~2,000 cal BP 以\n降であることが明らかとなった.これらの差異は地形場の違いによって生じたと推定さ\nれ,土砂供給量が多くデルタの発達速度の大きい河川沿いでより早く埋積が進行し,湖\n水の攪拌が生じたためであると考えられる.\n十三湖周辺地域における研究と同様の手法を用いて推定した八郎潟の湖水環境は,珪\n藻分析により約9,000 calBP には内湾環境が成立,約5,500 cal BP に淡水化が生じ,その\n後,淡水の影響の強い汽水域へと変化している.八郎潟においても十三湖と同様に\nA.granulata の優占が淡水環境の指標となったが,同層準のイオウ分析結果は陸成(淡水)\n堆積物と判別された.この事実は珪藻分析から復元される環境と同調する結果となり,\n表層と湖底の成層化はみられないことが示された.本研究では,八郎潟南部において縄\n文海進以降,日本海と内湾を隔てた砂州が海底下で堆積を開始したのは約8,000 cal BP 前\n後,海水準と同高度となり離水したのが約6,000~5,000 cal BP,風成砂が被覆し,砂丘が\n形成されたのが約3,000 cal BP であることが明らかとなった.このように海跡湖周辺にお\nける堆積物の珪藻分析から得られた環境変遷と,砂州の構成層から推定した形成時期が\n同調している.すなわち,この時期に形成された砂州によって,八郎潟が外洋からの影\n響を極めて受けにくくなり,淡水環境が強まったことが指摘できるであろう.\n本研究では,十三湖,八郎潟,およびそれらの周辺低地におけるボーリングコアの諸\n分析をもとに,完新世における湖の形態,特に水深変化を考慮しながら,縄文海進以降\nの海跡湖の成立過程,および湖水環境の変遷に関して考察を行った.その結果,海面変\n動,気候変化といった外的な環境変化のみならず,湖沼自体の地形変化も大きな影響を\n与えていることが明らかになった.","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_67":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"11101A028"}]},"item_7_full_name_2":{"attribute_name":"著者(ヨミ)","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"17489","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"カサイ, 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