@article{oai:hirosaki.repo.nii.ac.jp:00005817, author = {郡, 千寿子}, journal = {弘前大学教育学部紀要}, month = {Oct}, note = {石川県立図書館に所蔵されている近世期版本の往来物資料について、調査した概要をここに報告する。石川県立図書館には、〈森田文庫〉〈饒石(にぎし)文庫〉〈李花亭文庫〉〈川口文庫〉といった特殊文庫があり、それらの文庫目録1)に拠って予備調査を行い、調査対象に該当すると思われる文献資料を抽出した。その後、当該資料の書誌調査を実施し、分類整理を行った。〈森田文庫〉には該当資料がなく、〈饒石(にぎし)文庫〉には8本、〈李花亭文庫〉には3本、〈川口文庫〉には23本、総計34本の近世期版本往来物資料の所蔵が確認できた。総数34本を目的別、出版地域別に分類すると、目的別では、教訓科往来3本、社会科往来3本、語彙科往来2本、消息科往来20本、地理科往来1本、歴史科往来4本、産業科往来0本、理数科往来1本、女子用往来0本という結果であった。消息科往来が59%を占めるという偏在が明らかとなった。  出版地域別の分類では、江戸11本、京都9本、大坂4本で、不明が10本という結果であった。北前船の寄港地である秋田や酒田の往来物資料は、圧倒的に京都と大坂の出版が多く、関西圏から海路で運ばれたと考えられた。他方、新潟では江戸からもたらされたものが多く、陸路の比重が高いようであった。石川県立図書館所蔵の資料に限って言えば、江戸11本に比して、京都と大坂を合わせると13本であり、関西圏からのものと江戸が僅差であることが知られた。往来物の分布を通して、地域の教育的背景の格差や文化伝播状況などを解明することを目的としているが、本稿は、他地域の状況と比較する上で基盤となる調査の一報である。}, pages = {1--7}, title = {石川県立図書館所蔵の往来物資料について - 特殊文庫における調査報告 -}, volume = {122}, year = {2019} }