@article{oai:hirosaki.repo.nii.ac.jp:00006791, author = {田中, 拓郎}, journal = {弘前大学教育学部紀要}, month = {Mar}, note = {本研究は,小学校国語科入門期説明的文章と就学時前教育段階において子どもが触れる科学絵本『かがくのとも』に収録された文章との比較を通して,読者である学習者からみた系統性や関連性について考察することにより,「言葉」に関わる継ぎ目のない指導のあり方について検討を行うものである。結果として次のことが確認できた。1点目は双方の教材・作品に関わる目的の違いからくる「構成」の違いである。国語科入門期説明的文章は事象や現象について論理的に説明することを目的とするため,特に本論部の「構成」を重視し,繰り返し複数の事例を用いて「構成」の定着を図ろうとしている。一方『かがくのとも』は,絵本という性質からストーリー性を重視し,1つの話題を時間的順序や空間的順序などに基づき「構成」していることが多い。2点目は「展開」である。入門期説明的文章は,問題提示・解明の展開が多く,続いて話題提示・解明となる。問題や話題を「解明」しようとするのである。一方『かがくのとも』は,話題提示・解説が多く,続いて問題提示・解説となる。話題や問題などを「解説」する展開が多く見られた。入門期説明的文章は「解明」であったが,『かがくのとも』は「解説」が多く,ここに違いが見られた。また,この「解説」から「解明」へと変化する過程には,言葉の指導の面からみて系統性や関連性を見出すことができる。さらに小学校中学年段階ごろに身に付くとされる説明文スキーマの原型にあたる可能性がある。3点目は「挿絵」(非連続テキスト)である。入門期説明的文章学習では文章そのものの理解が目的となるため,挿絵は文章を理解するための補助的資料となる。一方『かがくのとも』は絵本であることから,挿絵が主役であり文章は挿絵を説明するための位置づけとなる。しかし,就学時前教育段階との継ぎ目のない「言葉の学習」を目指す視点から,特に入門期説明的文章学習においては,挿絵を文章と同等に重要視して指導にあたることが肝要となる。さらに付言すれば,入門期説明的文章指導は得てして「内容」(事柄や現象)理解に視点をあてることが多いが,就学時前教育段階において文章の「構成」や「展開」につながる豊かな学びの素地を密かに学んでいることを小学校の指導者が理解しておくこと,また上記に関して指導者・保育者の双方が認識することが,更なる連携の強化に結び付くのである。}, pages = {9--21}, title = {小学校入門期段階と就学時前教育とにおける 継ぎ目のない「言葉」の指導についての一考察 ― 国語科入門期説明的文章と科学絵本『かがくのとも』を例に ―}, volume = {127}, year = {2022} }